2019

友愛2月号—「立命館大学国際平和ミュージアム」スタディツアーに参加して

友愛
特定非営利活動法人ワールド・フレンドシップ・センター機関紙

「立命館大学国際平和ミュージアム」スタディツアーに参加して」 
髙橋勝己

小雨降る1月末日、京都にある「立命館大学国際平和ミュージアム」を訪問しました。ツアーは総勢8名(WFC理事4名、Hiroshima をつ・た・え・る・基礎講座受講者4名)。JR京都駅で同ミュージアムのボランティアガイドの谷川佳子さんと合流し、彼女の先導でバスにて衣笠山の麓にある立命館大学へと向いました。谷川さんによると同ミュージアムは大学発のものでは世界に類を見ない規模と内容とのこと、期待に胸が弾みました。

先ず訪れたのは、岩国出身の末川博名誉総長の名を冠し、末川先生の遺品展示等がある末川記念會館。ここで、5歳の時に横川で被爆し、現在は京都原水爆被災者懇談会世話人でもある花垣ルミさんが私たちを迎えてくれました。

館内のレストランで昼食、メンバーの自己紹介の後、花垣さんの被爆証言を聞きました。被爆時の様子、とりわけ三滝方面への避難の際に経験したことが後年になってフラッシュバックしたそうです。

隣接するミュージアムへと移り、まず玄関先で“アンネのバラ”が迎えてくれました。建物に入ると、居心地のよい広い空間のラウンジが待っていました。東西の壁面には、戦争禍の過去から明るい未来を表す手塚治虫「火の鳥レリーフ」二枚が光彩を放ち、また印象に残る「ムッちゃん平和像」が鎮座して迎えてくれました。谷川さんの説明によると、ムッちゃんは結核のため防空壕に一人隔離されたまま、戦争が終わったことも知らずに飢えて死んでいった少女だそうです。

続いて、いよいよメインテーマ、“平和をみつめて”の常設展がある地下一階へと向かいました。横手に大きな「わだつみ像」を見ながら階段を下ると展示が始まります。この階では「十五年戦争」と「現代の戦争」の二つのテーマに分かれて展示。特に前者のコーナーには、一次史料に基づく膨大な展示、史実に依拠したニュートラルで分かりやすい説明文があり、感動しました。知らないことをいっぱい発見することができました。

このミュージアムは、立命館が戦前に軍事色の強い学園であったことを自ら痛烈に反省したうえで設立されたものであり、“平和創造の主体者をはぐくむ”とする強い意志が随所にみられました。

展示の内容はそれぞれ重く、テーマを列挙しますと、①軍隊と兵士(帝国軍隊の特徴)、②国民総動員(戦争協力体制)、③植民地と占領地(抗日運動)、④空襲・沖縄戦・原爆、⑤平和への努力(日本人の反戦運動)、そして⑥戦争責任です。中でも、兵士がかついだ30㎏にもなる背嚢の重さ、当初、原爆投下の第一順位にあった京都への投下計画(梅小路機関区から半径2.4㎞の円)を示す航空写真、抗日スローガン等が強く印象に残りました。

続いて、二階に上がり「平和創造展示室」を見学しました。ここでは、“戦闘状態がないことだけが平和ではない”、を中心テーマに、暴力と平和を考えるコーナーの紹介があり、身近にある様々な課題に気づきました。

隣には、長野県上田市にある戦没画学生の美術館「無言館」/京都館-いのちの画室があり、若くして命を落とした画学生たちの作品と向きあいました。

今回の「立命館大学国際平和ミュージアム」訪問では、学術的知見の上に構築された膨大な展示物を通して、戦争の愚かさとともに、平和への志向は個人の主体的な行動によって現実化するということを体感でき、今後の平和活動に向けて大変に有意義なツアーでした。

ガイドをしていただいた谷川さん、花垣さん並びに同行いただいたWFCの理事の皆様に感謝申しあげます。

未来へはばたく「火の鳥レリーフ」をバックに、
左から、仁木さん、渡辺さん、松野さん、三保さん、車地さん、田口さん、高橋、立花さん
未来へはばたく「火の鳥レリーフ」をバックに、
左から、仁木さん、渡辺さん、松野さん、三保さん、車地さん、田口さん、高橋、立花さん

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