友愛
特定非営利活動法人ワールド・フレンドシップ・センター機関紙

 

「PAX アメリカツアーを終えて―真のボランティア精神から伝えられる平和―」

西井 美穂

 

私はPAX(Peace Anbassador Exchange、平和大使交換プログラム)のメンバー4人の一人として、2018年9月17日アメリカへ渡りました。

私の参加したPAXアメリカツアーは、9月17日から28日までのシカゴを中心とする12日間、4か所に数日間滞在しながらぐるっと一回りしてシカゴに戻り帰国するという行程でした。ぎゅっと凝縮され密度の濃い旅であろうと、これまでのPAXツアーに参加した諸先輩方から聞いておりました。参加前から様々な配慮をいただいていたこのツアーは、学び萬斎の楽しい旅であることは予想されましたが、体力の面で少し不安がありました。実際には、その不安も杞憂に終わり、最初から最後まで幸せな持ちで過ごすことができたのは、一緒に行ったPAXメンバーの仲間と日米のボランティア精神にあふれた人たちの連携プレーのおかげだと思っております。

このPAXツアーでの私の最大の学びの一つは、アメリカでは、家庭が一つの明確な社会の単位で、一人ひとりが社会に開かれているということを肌で感じることができたということでした。今回は平和のために活動している人たちとの出会いが中心だったので、そう感じたのかもしれません。しかし、積極的に他者のために働くための確固とした土台・組織があり、そこで働く人は楽しみながら責任をもって活動しているという様子をみるにつけボランティア精神が社会や個人に根差しているということを感じました。他者のために働くことは自己犠牲ではなく、むしろ自己の価値とつながっていることに感動しました。

さて、PAXメンバーとしての私のプレゼンテーションですが、出発直前日本で確認できたことは、12日間で自己紹介なども含めて少なくとも12回行うということでした。シカゴ周辺のElginのChurch of the Brethrenで2回、bloomington・NormalのIllinois Wesleyan Universityで7回、Wilmington Collegeでは2回、Bluffton UniversityのLion and Lamb Peace Arts Centerでは1回。

すべてのプレゼンテーションは、たとえ拙いものであったにしろ、私にはかけがえのない時間でした。しかしその中でも最も緊張し、かつ不安をおぼえ、また感動を覚えたプレゼンは、Illinois Wesleyan Universityでの日程の最後の日に行われた、Panel Discussionでした。私を除くパネリスト3人は、アフリカや中東出身の難民として生き抜いた人や、平和活動家などアメリカ在住の人たちでした。体験においても、英語力という意味でも、相当私とはかけ離れていると初めからわかっていました。それでも私は、自分のテーマである“The Spirit of the Memorial Cenotaph for Atomic Bomb Victims(原爆慰霊碑の精神)”は、根底において彼らの平和活動の精神とつながっていると信じていました。

Panelの終了する約30分前のことです。会場後方から、一人の中国の方が私に対して厳しい指摘をされました。日本人の南京大虐殺について数字をあげて糾弾するという雰囲気もありました。私はその時、過去の日本人の行為について謝罪するとともに、戦争には勝者も敗者もないこと、原爆慰霊碑は、人類の一員として戦争に加担したことを反省し、死者の前で戦争を絶対にしないことを誓うためにあると述べました。被爆者の場合は、原爆の被害者でありながら世界的な視点からは加害者であり、未来の平和のためには、被爆者を含む全人類が恨みや被害者意識を乗り越え、世界平和を誓うことが必要であることなどを、浜井信三元広島市長の自伝である『原爆市長』から引用しながら説明しました。自分の言いたいことが伝わったかどうか疑問でしたが、会場から拍手が聞こえたのでほっとしたのを覚えています。

WFC広島やアメリカの皆さまには、こうした機会を与えていただきありがたく感謝の気持ちでいっぱいです。英語能力の向上は、私の今後の課題としたいと思っています。

 

 

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